あなどれない。子どもの便秘

保育園に勤めていると「便秘のお子さんって意外に多いんだなぁ」とつくづく感じます。
1歳児クラスで大汗かいていきんでいる女の子💦
給食後、便意を感じてトイレに行くけどなかなか出なくて苦しがっている5歳の男の子😥
3,4日でないのが当たり前のお子さんもいます😔
苦しがっているときは、お腹を温めてあげたり、さすったり、小さい子は少し肛門付近をマッサージしたり・・・。
それで出る時もありますが、根本的な解決にはなっていません😔
あまりにも活動中にも苦しがったり、排便のたびに出血がある場合は受診のお願いをすることがあります。
とにかく、小学校に行くまでには「便秘」を治してあげたい🦾そんな気持ちでいるナースさくらです!
子どもの便秘とは

便が長い時間出ないか、出にくいこと。週に3回より少なかったり、5日以上出ない日が続けば便秘と考えます。毎日出ていても、出すときに痛がったり、肛門が切れて出血する場合も便秘です。
また、一日に何回も小さいコロコロ便や柔らかい便が出る場合も便秘と言えることがあります。
これは腸に便がたまりすぎていて漏れ出ている可能性があるからです😓
何歳くらいが便秘になりやすいのか?
- 離乳食な開始や終了のころ
- トイレットトレーニングのころ
- 学校へ通いだしたころ
子どもの便秘のメカニズム
普通の排便は。
直腸に便が下りてきて直腸の壁を押し広げると、その信号が脳に伝わって便が来たと認識され、うんちが出したくなって出します。
便秘があると。
直腸にいっぱい便がたまっていることが続くと、直腸がゴムが伸びるように伸びてしまい、ぷかぷかになってしまいます。腸がぷかぷかになってしまうと、一日くらいの便の量では直腸の壁を押し広げることができず、うんちがしたい気持ちもわいてきません。かなりの量がたまったときには、苦しくなり出したくなりますが、なかなか出すこともできない状態になってしまいます。
子どもは苦しいからうんちを出すのが怖くなって我慢するという心理的なものと直腸の状態の悪循環が重なってますます便秘が悪化していく。
この状態が1~2か月続くと慢性機能性便秘症となります。(小児慢性機能性便秘診療ガイドライン)
便秘の治療
小児科に受診する
まず、治療をしてもらう。
- 排便がなかなかない。
- 排便に時間がかかる、苦しがっている。
- 排泄時出血がある。
など症状があるときは、受診を勧めています。受診後もどういう治療をしたか、薬の継続の有無、内容など聞き、園でも気をつけてみていきます。
それに並行して、保護者が望めば、保育園の栄養士の先生と相談して栄養指導などしてもらいます。
腸活についてもサラッと世間話風に軽くお話することもあります。
ただ、忙しくお迎えに来られた保護者にいろいろ言うのも迷惑だと思うので、関心がありそうだなと思ったときに説明するようにしています。
まずは、受診!病院でもしっかり指導してくれますから😊
腸内環境をよくする(腸活)

●腸内細菌叢とは
腸は食べ物を消化吸収する働きの他に、私たちの体の中で共存している細菌の約9割が腸に棲みついていると言われています。
その細菌は腸の壁にお花畑のようにびっしり貼りついています(腸内細菌叢)
腸内細菌叢は乳酸菌やビフィズス菌を代表とする善玉菌、大腸菌などの悪玉菌。善玉菌、悪玉菌に属さないが多い菌と同じ働きをする日和見菌がそれぞれ(2:1:7)が理想的と言われていますが、
食生活の乱れや疲労、運動不足、睡眠不足、ストレス、加齢などによって変化してしまいます。
善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を防いでくれたり、腸内の有害物質を体外に排出する働きがあります。
悪玉菌は食物に含まれる動物性たんぱく質や脂質を分解し、便として排泄処理する働きがあります。
ただし、悪玉菌が増えすぎると便秘や下痢、肌荒れ、アレルギーなどの体調不良を引き起こし、便やおならの悪臭も悪玉菌の働きによるものです。
日和見菌は腸の状態によって、多い方の細菌と同じ働きになります。
●腸内細菌叢が整うと良いことがたくさん。
- 免疫力がアップ! 体の免疫細胞の7割が腸に集まっているから体が強くな る🦾🦾
- 幸せ度がアップ! セレトニンのもとが9割、腸で生成されている❤️❤️
- 腸の働きが整う! 便秘や下痢が改善します😊😊
腸内細菌叢が整うと、何事にも正のスパイラル、好循環に働いていく感じがしますね✌️
腸活の方法

善玉菌を増やすことを意識した活動をしていくと、腸内細菌叢の理想的な割合に近づいていきます。
●善玉菌を増やすには。
- 善玉菌を含む食品(発酵食品、乳酸菌飲料など)を食べる。(毎日、食べることが大切です)
- 善玉菌のエサとなる食品(オリゴ糖、食物繊維)も一緒に食べる。《特に水溶性食物繊維》
- 3食、規則正しくバランスよく食べる。
- たっぷり睡眠をとる。
- 適度に運動する。
発酵食品・・・・・・ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、チーズ、ぬか漬けなど |
水溶性食物繊維・・・昆布、わかめ、大豆、オートミール、大根、ピーマン、キウイ、バナナなど |
不溶性食物繊維・・・レタス、キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、大豆、こんにゃくなど |
オリゴ糖・・・・・・大豆、玉ねぎ、ゴボウ、バナナ、とうもろこし、はちみつなど |
保育園看護師として

おむつをしているお子さんは、どのような便がでているのか把握しやすいですが、自分でトイレでできるようになると実際どんな便なのか把握も難しくなりますよね。
トイレが自立している子に対しては、保健指導などでうんちのイラストを見せて、「良いうんち、悪いうんち」の話をし、
実際出たうんちがどうゆうモノだったか。
いつもと同じうんちだったか。
を教えてもらったり、
また、長い時間トイレに入っていきんでいる子には特に気をつけるよう注意しています。
あと、よくお腹を痛がる子のほとんどが「うんちが出ていない子」なので、お腹を温めたり、水分をしっかり摂らせたり、排便があったら「お腹の痛みは消えたか」など観察しています。
また、いきんでいるときに肛門の周りにワセリンを塗ってあげると、比較的スルっと出るようです。ただ、これは保護者や園の許可が必要になりますが💦
看護師といて一番重要だと思うのは、「便秘と感じたら」
小児科に受診を勧めること!
と思っています。
あとは、ほけんだよりなどで「子どもの便秘」や「腸活」について発信していくといいのかなと思います😊
まとめ
子ども便秘はQOLにも深く関わってきます。
いつ、痛みの発作がおこるかわからない。
みんなと遊びたいけど、うんちが出そうで遊べない。
給食後、トイレからなかなかでれない。
そんなお子さんをたくさん見てきました。
毎日、うんちがでるとそれだけで気持ちいいし、もりもり食べられたくさん遊べます😊😊
子どもたちの不快感から救ってあげたい!(ちょっと大げさ😅)
そんな気持ちでいます。
たかが便秘。されど便秘です。