頭をぶつけた時の対処

乳児さんは特に体と比べて頭が大きいのでよく頭をぶつけます😓😓
どんなに一生懸命見守っても、歩いていていきなり壁に激突したり、体のバランスをくずして地面にコテッと💦
安全対策がばっちり整った保育園内でも、子どもはほんとにこちらの想像を超えたことをやってくれたりします😢
頭をぶつけると、ほんとヒヤッとします。「泣いたから大丈夫?」「たんこぶができたから大丈夫?」「今、元気だけど今後症状がでたら・・・」
色々頭の中でシュミレーションしながら、患部を冷やして休ませます😔
今回は私なりの対処の仕方をご紹介したいと思います。
頭部外傷のメカニズム
頭部外傷とは、転倒転落などで外から力が加わることにより、頭の皮膚、頭蓋骨、脳を損傷することである。

たんこぶ(皮下血腫)
頭の皮膚の下(頭蓋骨より外側)に出血があり、血液が固まった状態で表面が盛り上がり、触ると硬い血腫
ぶよぶよなたんこぶ(帽状腱膜下血腫)
触ると硬くなくぶよぶよしたたんこぶ。上記の硬いたんこぶよりも頭蓋骨に近い深い部位に出血がある血腫
皮下血種、帽状腱膜下血腫のみであれば経過観察でよいが、骨折や頭蓋内の出血がある場合があるので注意が必要。
帽状腱膜下血腫の場合は他に症状がなくても受診をしています。
急性硬膜外血腫
頭蓋骨と硬膜の間で出血が溜まり、血腫を形成した状態。頭蓋骨の線状骨折や陥没骨折を伴っていることもある。受傷して数時間症状がでないこともある。
症状は頭痛、嘔吐、意識障害、半身の麻痺、けいれんなど。
急性硬膜下血腫
硬膜と脳の間で出血が溜まり、血腫を形成した状態。
受傷直後より意識障害などの症状が出る場合と数か月後に症状がでる場合(慢性硬膜下血腫)がある。
脳損傷を伴うことが多い。
揺さぶられ症候群もこれに該当します。
症状は頭痛、嘔吐、意識障害、麻痺、けいれんなど。
頭蓋骨骨折
脳の損傷が起こる場合と起こらない場合がある。
症状は骨折部位の出血や腫れ、頭痛、吐き気、めまい、意識障害など。
鼻や耳から液体が漏れ出したり、耳の後ろや目の周囲にあざがでたりする。
脳挫傷
頭部への強い衝撃により、脳に損傷や出血が起きている状態。脳の構造の一部が破壊されている。時間の経過とともに出血や腫れがでて症状がでることがある。
症状は頭痛や気分不快などの軽度のものから麻痺、意識障害などの重篤なものまで、脳の損傷の部位と大きさにより出現する症状や程度は様々である。
脳震盪
転倒や外傷など頭部への衝撃により脳が大きく揺さぶれ、一時的に起こる脳の機能障害。
意識混濁、頭痛、めまいなど。軽度の脳震盪であっても脳が完全に回復していない状態で2回目の衝撃が加わった場合、脳へさらに重大なダメージを与え致命的な損傷が起こる(セカンドインパクト症候群)
頭をぶつけた時の観察ポイント
- ぶつけた部位の確認(たんこぶ、発赤、出血、腫れなど)
- 意識消失はあるか(頭をぶつけてすぐ泣いたか、受け答えはできるか、ぼんやりしている、すぐ眠ってしまいなかなかめざめないなどないか)
- 痛み(痛みが続く、だんだん痛みが強くなる)
- 嘔吐
- 手足の動き(ふらつき、力が入らない、麻痺があるなど)
- 目が見づらい、二重にみえる
- けいれん
- 耳や鼻から液体がでていないか
- 目の周りや耳の後ろにあざがないか
頭をぶつけた時の応急処置
たんこぶができた時の応急処置
- たんこぶのみで痛みも軽減傾向にある場合は患部を保冷剤などで冷やす。受傷後6時間はなるべく安静に過ごし、保育者が常に見守る。(1時間ごとにチェックリストに記入する)
- 頭をぶつけて園で様子をみていることを保護者に連絡する。
- お迎え時も経過などを報告する。
保護者への説明
- 受傷当日は長湯や激しい運動は避け、48時間は注意してみてもらうよう、また、何か症状が出た場合は受診や救急車要請をするよう伝える。
受診または救急車要請する症状

- たんこぶがぶよぶよしている
- 出血は止まったが、開放創がある
- 出血が止まらない
- 意識消失がある
- うとうとしている、なかなか目ざめない
- 会話がおかしい
- 嘔吐を繰り返す
- 手足の動きが悪い、ふらつき、麻痺
- 痛みが続く、だんだん強くなる
- けいれん
- 顔面の腫れ(目の周囲、耳の後ろにあざがある)
- 鼻や耳から液体がでている
①②は受診。③以降は救急車要請する。
頭をぶつけた後(軽いたんこぶ程度)のチェックリスト
1時間おきに子どもの状態をチェックして記録に残しておきます。
●頭部外傷チェックリスト● 月 日( )
組 氏名
・受傷した時間( : )
・受傷した部位( )
・状況( )
・処置( )
〇受傷直後の様子
□すぐに泣いた □出血なし □腫脹あり(部位 )
□けいれんなし □顔色良好 □手足が正常に動く □会話が正常
□嘔吐なし □呼吸が正常 □目が普通に見える □目や鼻から液体がでていない
□目の周りや耳の後ろにあざがない
その他( )記入者
〇受傷1時間後 ( : )
□腫脹あり □けいれんなし □顔色良好 □機嫌良好
□手足が正常に動く □ 会話が正常 □嘔吐なし □目が普通に見える
□呼吸が正常 □痛みがない □いつもどおり遊べる
□目や鼻から液体がでていない
□目の周りや耳の後ろにあざがない
その他( )記入者
〇受傷後2時間後 ( : )
・1時間後と同じ内容。
※食事状況 (昼食 )(おやつ )
※睡眠状況( ~ )
〇1時間おきに降園までチェックします。
●受傷後、園の方で特に変わった様子はありませんでしたが、徐々に症状がでてくる場合もありますので48時間は特に気にかけていただけますようお願いいたします。また、本日は激しい運動や長湯はさけていただきますようお願いします。
もしも
・受け答えがおかしい
・うとうとしている
・嘔吐
・頭痛
・手足の動きがおかしい
・けいれん
・目がみづらい
・呼吸が苦しそう
・機嫌が悪い
など、いつもと様子がおかしい場合は救急で受診してください。
★腫脹以外の症状が出た場合は受診または救急車要請をします!
まとめ
子どものけがは注意していても避けては通れないもの。ただ、頭は症状が数日後、数か月後にでるものもありほんと怖いです😓
ちょっとしたことでも受診して、お医者様からお墨付きをいただけたらそれに越したことはないですけど人材的にも難しいのも悩み所ですよね。
私は小さなたんこぶ(皮下血種)の場合(状況にもよりますが)は園で様子を見ることにしています。もちろん常に職員が子どもに付いて見ています。
保護者がお迎えの時にもう一度状況の説明と記載したチェックリストを渡して家でも様子をみてもらうようにしています。
保護者にきちんと説明し、今後ヒヤリハットや事故報告書を基に職員同士で検討し防げることは防いでいくことが大切ですよね。
先生方ほんとお疲れ様です😊