手指、足指の皮むけ…それって病気のサインかも

こんにちは。保育園看護師さくらのブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、保育園看護師のお仕事について、また子どもの病気のことなど子どもに関わる方に向けてお話させていただきたいと思っております。
たまーに「先生、どうしましょう?」と保育士の先生がびっくりして手の指や足の指の皮が剥がれてめくれてしまっている子を見せに来てくれます。
以前に手足口病や溶連菌感染症に罹ったお子さんは「それのせいだね」とわかるのですが、
そういうこともなかった子は…💦
とにかく保護者に連絡を入れた方がいい?
お迎えをお願いしたほうがいい?
とにかく受診をお願いする?
私がいままで、こんな感じでやってきたことを書きたいと思います。
どんな病気が考えられるか
手足口病
夏の代表的な感染症。原因となるウィルスは主にコクサッキーウィルスA6,CA16,CA10,エンテロウイルス71などです。
主な症状
感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2~3mmの水疱を伴う発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、38℃以下の事が多く、高熱が続くことは通常ありません。ほとんどの発病者は3~7日のうちに治る病気です。
なお、コクサッキーウイルスA6による手足口病の症状が消失してから1ヶ月以内に一時的に手足の皮膚や爪の脱落を伴う症例があるが自然に治るとされています。
エンテロウイルスによる手足口病では、ごくまれに髄膜炎、出血性結膜炎、心筋炎など重症になる例もあります。
溶連菌感染症
原因となる細菌はA群溶血性レンサ球菌
症状
扁桃炎,伝染性膿痂疹(とびひ)、中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、髄膜炎、骨髄炎など様々な症状を呈します。
扁桃炎では発熱、のどの痛や腫れ、化膿、リンパ節炎が生じる。舌が苺状に赤く腫れ、全身に鮮紅色の発疹が出て、それが治まった後、指の皮がむけることがあります(落屑)。
まれに2~4週ほど経ってから、急性糸球体腎炎やリウマチ熱という合併症を起こすことがあります。
川崎病
原因不明の病気で、4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症がおきていろいろな症状がでます。高熱、両側の眼球結膜の充血、真っ赤な唇と苺舌、身体の発疹、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れ、BCG接種部分の腫れ。川崎病の回復期には手足の指先から皮がめくれる膜様落屑がみられます。
川崎病にかかると、心臓の冠動脈に動脈瘤を形成する危険があります。
水虫
カビの一種である白癬菌が皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気。
痒みをともなわないこともある。皮がむけたり、白くふやけたり、小さな水ぶくれができたりします。
白癬菌は触れてから24時間しないと感染しないと言われています。ただ傷などある場合はそれよりも早く感染します。なので、毎日お風呂で足をきれいに洗えば感染を防ぐことができるを言われています。
汗疱
汗が原因の湿疹。皮膚の表面に小さな水疱ができたり、皮がむけたりして軽い痒みを伴います。手足に汗をかきやすい体質の人、比較的若い人に多くあらわれます。
手足の皮むけを見つけたら

手や足の指先の皮がむけていたら
肌の乾燥状態、発疹、発赤、範囲、程度(表皮、真皮)など観察する。
肌の乾燥などによる軽度のひび割れなどは、
家庭で保湿剤をしっかり塗り改善しない場合は受診を促す。園では手洗いの時しっかりハンドソープを流しきちんと手を拭くまたは指導します。
皮がベロっとむけていたら、
子どもに皮をむかないよう伝えてから。
最近の既往歴を見直す。発熱の有無、感染症既往の有無。もしも手足口病や溶連菌感染症に感染歴があった場合はお迎え時保護者に伝えるのみ。
感染歴がない場合は、受診をお願いします。
筆者は過去に2名のお子さんが「川崎病」と診断されたことがありました。幸いに動脈瘤はありませんでしたが。
なので、とにかく念のため受診をしてくださいねとお願いしています。
足指、足の裏の皮むけをみつけたら
まず、水虫を疑います。
なので、裸足保育の場合は靴下を履いて過ごしてもらいます。
保護者に連絡をして、なるべく早く皮膚科に受診していただくようお願いします。
そして治療の間は常に靴下を履いて過ごしてもらいます。
ただ、受診をしていただくとほとんどは「汗疱」の場合が多く、水虫の場合は少ないです。
でも子どもでも、感染しますので気を付けないとですね。
細かいことですが、身体測定で身長や体重を測るとき、1人終わるたびに消毒しないと💦と改めて反省した筆者でした😓
まとめ
子どもは手でいろんなものを触ったり、自分できれいに洗えなかったり、皮膚も大人と比べて薄くデリケートな分トラブルになることが多いです。
手足の皮むけ、痛くもかゆくもなければ放置しがちですよね。
でももしかしたら、そこに病気がかくれているかもしれません。
そして皮むけの傷から感染しやすくなったり、何かにかぶれやすくなる場合もありますので
きちんと原因をつきとめて解決していくことが大切と実感しています。
また、感染する病気を見越して、常に環境整備をすることも大切ですね😅