病気について

気づきにくい子どもの貧血、夏に増える理由とは?

hoikuennursesakura

こんにちは。保育園看護師さくらのブログをご覧いただきありがとうございます。

このブログでは、保育園看護師のお仕事について、また子どもの病気のことなど子どもに関わる方に向けてお話させていただきたいと思っております。

子どもでも貧血ってあるの?そんな疑問を持たれた方もいるかもしれません。

子ども特有の生理的なものもありますし、

もともと私たち日本人は鉄分の摂取量が不足しがち。

そして汗をかく夏の季節は乳幼児の貧血が増えやすいとも言われています。

貧血の症状もわかりづらいこともありますので、常に気にかけていかなくてはならない病気のひとつですね。

貧血ってどんな状態?

私たちの体には「赤血球」という細胞があります。この赤血球の中にある「ヘモグロビン」という成分が体じゅうに酸素を運んでくれています。

ヘモグロビンは「ヘム」という物質と「グロビン」というたんぱく質とが結合してできていますが、酸素と結合して全身に酸素をいきわたらせる大切な役割をしているのが「ヘム」です。

「ヘム」の材料になるものが「鉄」です。鉄分が不足すると体中に酸素が行きわたらなくなり「貧血」の症状をひきおこします。

子どもの貧血は鉄分がただ不足している「鉄欠乏性貧血」がほとんどですが、中には再生不良性貧血や溶血性貧血、白血病のように血液の病気でなっている場合もあります。

貧血の症状

全身に酸素が不足すると…と考えると、様々の症状が考えられますね。

頭に酸素が行きわたらなかったら、頭が痛くなったり、ぼーっとしたり、立ちくらみをしたり、

筋肉だったら、疲労感。胃腸だったら、食欲不振や吐き気・・・。味覚障害をおこすこともあります。

そして心臓は体に酸素を運搬しようと心拍数や心拍出量を上げ、酸素不足を解消するために多くの血液を循環させようとがんばります。その結果、頻脈、動悸、息切れ、倦怠感などを起こします。

乳幼児期の脳や神経の発達が著しい時期に貧血があって体全体の酸素不足があると、子どもの成長に著しく悪影響を及ぼすことは想像に足りません。

集中力がない。活気がない。疲れやすい。言葉が遅い。いらいらしているなど。それが子どもの資質ではなく「鉄分不足」だったとしたら。ちょっとぞっとしますね!

貧血かも?チェックリスト

  •  顔色が悪い
  •  疲れやすい
  •  注意力や集中力が低い
  •  食欲がない
  •  めまい、動悸、息切れ
  •  爪の色が白い、スプーン状に沿っている
  •  あっかんベーをしたときに下瞼の裏側が白い
  •  氷をガリガリ食べたがる

子ども特有の貧血になる原因

生後5~6か月以降はお母さんからもらっていた貯蔵鉄が枯渇してしまうため。(早産児は   もともと貯蔵鉄自体が少ない場合がある)

母乳栄養を中心の離乳食をしていると鉄分不足になる。(母乳は意外に鉄分が少ないため、離乳食で補えない場合は鉄分が不足します。)

母乳に含まれる鉄は約0.2㎎/100ml,乳児用ミルクは約0.6㎎/100mlです。乳児用ミルクの方が多いですが、吸収率があまりよくないようです。

たくさんの量が食べられない。または好き嫌いがある。

乳幼児期の急速な成長。

牛乳の飲みすぎ(牛乳貧血) 1歳を過ぎると牛乳を飲むようになります。大量の牛乳を飲むとそれだけでお腹がいっぱいになり、他の栄養が取りづらくなります。牛乳はとても良い食品ですが、何事も適量が大事ということですね。1日200~400㎖にしておいたほうが良いみたいです。

それに加えて夏はなぜ貧血になりやすいのか?

●暑さのため、食欲が低下する。

●汗をかくと鉄分をはじめとするミネラル成分(微量ですが)も汗と一緒に体の外にでてしまう。

 汗は血液の中の血漿からできています。汗をかくことで血液量も減ってしまうため心臓の負担も増えてしまいます。貧血があったら余計ですよね。貧血をもっているお子さんは夏はかなり辛い時期なのかと想像できます。しんどいから食欲も減ってしまう悪循環にならないように気をつけたいですね。

具体的な貧血対策は?

食事から十分に鉄分をとること

鉄は食品からの吸収率が低く、体内で貯蔵しておくことができないため、毎日の食事からしっかり補うことが必要になります。

食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、「ヘム鉄」は動物性食品に多く含まれ、「非ヘム鉄」は植物性食品に多く含まれているのが特徴です。それぞれの吸収率は「ヘム鉄」が20%前後で「非ヘム鉄」5%前後と低いですが、食材の食べ合わせを工夫すると吸収率が上がるとされています。

ヘム鉄を含む食品:赤身の肉、血合いの魚、レバー、あさり、かき、卵(卵黄)

非ヘム鉄を含む食品:ほうれん草、小松菜、大豆製品、ひじき

一緒に食べるといいもの ・タンパク質(鉄の吸収を高める)

            ・ビタミンC (非ヘム鉄を吸収されやすい形に変える)

            ・酢・かんきつ類 (胃酸分泌を上げ、吸収率を高める)

(注意したいこと)

スナック菓子やカップ麺、加工品に多く含まれているリン酸塩。体内に取り込まれた際にミネラル分である鉄などと結合してしまう性質があります。そのリン酸塩は栄養にならないため体外に排泄されるのですが、その際鉄なども道づれに一緒に排泄されてしまうので、なるべく日常的に食べないほうが良いかもしれませんね。

貧血予防は3食バランスよく、鉄だけではなくタンパク質やビタミンCを含む食品を一緒に摂ること。そして添加物の多い食品はなるべく摂らないことがポイントですね。

まとめ

鉄欠乏性貧血は病気がゆっくり進んでいきます。体が貧血状態に慣れしまうと鉄分の数値が低くてもまったく症状が出ない場合も多く、たまたま他の病気で血液検査をした際に見つかることも多いようです。

筆者が経験した例でも、活発で身体が大きく普通に食欲がある子がアレルギー検査をした際に貧血が発覚した子もいました💦

乳幼児期の貧血は知能や体の発達にも影響がでる場合もありますので、特に夏場は意識して鉄分を摂るように保護者にも啓発活動をすることも大切ですね。

もちろん、顔色がすぐれない子や元気がない子に対して、眼瞼結膜をしっかり確認したりすることも。ですね!

ABOUT ME
さくら
さくら
保育園看護師
保育園看護師のさくらです。保育園看護師として約20年勤務しています。保育園の保健について、また保育園での生活についてなど少しでも子供に関わっている方のための情報を発信したいと思っています。 とかっこいいことを言っていますが、自分の頭の中を整理するためというのもありましてブログを始めました💦 また、パソコンも苦手世代なので頭の中がパニックなりながら、必死にやっています。お見苦しい点もあるかと思いますがよろしくお願いします😓 プライベートでは孫にメロメロなおばあちゃんです。
記事URLをコピーしました