きれいな肌は元気のしるし!スキンケアでアレルギーにも強い子に
こんにちは。保育園看護師さくらのブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、保育園看護師のお仕事について、また子どもの病気のことなど子どもに関わる方に向けてお話させていただきたいと思っております。
秋から冬が近づいてくると、途端に子どもたちの肌のトラブルが増えてきますね。
乾燥肌で粉をふいたようになっていたり、よくわからない発疹、掻いてしまい赤くみみずばれのようになっていたり…。
保湿剤を塗る習慣のあるご家庭とないご家庭。こんなにも差がでるんだとびっくりします。
体の臓器と外界を守る皮膚。何ミリという薄ーい皮膚に敬意を評さないといけないんですけどね。
結構、軽く見られがちな皮膚💦
保育園看護師として「皮膚の大切さ」を説明してもなかなか解ってもらえない部位でもありますね。
今回は「スキンケアの大切さ」についてまとめてみたので、もし少しでも参考になる内容がaあればうれしいです。
なぜ、スキンケアが必要なのか

- 見た目。 肌があれていたり、かさつきがあるとこちらからも心配になりますし、当の本人はなおさら気にすると思います。
- バリア機能が低下して、外界からの刺激、細菌、ウィルス、アレルゲンなどをうけやすくなります。
基本的なスキンケアのしかた

子どもの肌は大人と比べ薄く、バリア機能も未発達なため傷つきやすいためスキンケアとしっかり行っていく必要があります。
- 体はいつも清潔にする。お風呂の温度は38~40度位。熱すぎると皮脂まで落ちてしまい、肌のバリア機能が低下してしまいます。石鹸は泡立てて軽くなでるように優しく洗います。石鹸が残らないよう十分流します。
- 下着や洋服は肌を刺激しないような物を選ぶ。
- 部屋の湿度は50~60%に保つ。
- 保湿剤を1日2回(入浴後、朝)塗る。
アレルギーの観点から

スキンケアの必要性を実感する報告として。
お父さん、お母さんまたはきょうだいで1人以上アトピー性皮膚炎のある赤ちゃん(アトピー性皮膚炎の素因がある)に、毎日保湿剤を塗り続けた場合、3割程度アトピー性皮膚炎の発症をおさえることができたという報告があります。
また、食物アレルギーに対しては「経皮感作」によって発症するということが言われていてます。赤ちゃんが離乳食を開始する前に、家の中の浮遊しているほこりには卵や乳などの食品のタンパク質が含まれていて、それが赤ちゃんのあれた肌に侵入し、「感作」(アレルギーの前段階)が起こる。反対にスキンケアをしているきれいな肌には「感作」しにくいと言われています。
食物アレルギーの治療の経口免疫療法をうける場合でも、「皮膚の状態が良い」ということも条件になってくるようです。
次にいままで食べられていたものが食べられなくなるということもよく耳にします。
一つの事例ですが、魚アレルギーを大人になって発症した報告では、魚を扱う仕事を始めてから手湿疹が発症し、その後、魚アレルギーを発症していることがわかった。つまり、手湿疹に魚のタンパク質が繰り返しくっつくことにより魚アレルギーを発症したと推測されるのです。
あと、原因不明の慢性蕁麻疹もスキンケアをきちんをやった人の方が治りやすいとのことです。
これだけみても、皮膚とアレルギーの関係性は根深いですね。
とにかく、スキンケアをして皮膚をきれいにすることでアレルギーを防ぐ確率が上がるということですね。
事例1

保育園で働いていると、園児が給食を食べているうちに「○〇ちゃんの口の周りが赤くなってきてしまいました」と報告を受ける時があります。
保育園では、「食品を家で数回食べてから園で提供する」という様になっているので、アレルギー症状ではなく、あれた肌に食べ物がついてそれが刺激になってということがほとんどです。ただ、話がそれてしまうかもしれませんが、1歳児で、家で好まなかったため実は食べていなかったという事例も経験したことがありました。給食でも一口だけ口にするとその後、嘔吐を繰り返すというアレルギー症状を起こしたことがありました。
ですので、単に「刺激」ということだけではなく、本当にアレルギーだったということもありますので、気をつけたいですね。
あと、お肌があれている子は食前に病院から処方されているワセリンをつけてから給食を食べるようお願いすることもあります。園でも実際に軽い症状で本当に判断に迷うことが多々あります。そういう時は私は、保護者に連絡の上様子をみますが、また次回同じメニューの時同じ症状がでるかチェックします。(但し、お肌がきれいなことが条件ですが、それでも症状が出る場合はお医者さんに相談してもらいます)
本音は家でも、常にしっかり保湿をしてきれいな肌をキープしてほしいんですけどね。
事例2

年長の女の子でした。年中組から転園してこられましたが、そのころから皮膚の乾燥や掻き傷がひどく、担任の先生も何度もスキンケアについて説明してくれましたが、なかなか受診まで至りませんでした。でも、そのうちお父さんが納得して受診をしてくれるようになりましたが、塗ってよくなると止めてしまい、また、ひどくなると病院に行くという悪循環に。
そのうちステロイドのレベルも上がってきてしまいました。私たちは園の許可を得て、朝だけはお医者さんの処方通り園で塗ることにし、肌が良くなっていく過程をご両親に実感してもらうことにしました。
ほんとにきれいになっていきました。あとは、今後、保湿剤だけでいけるのではないかというところまで。そして同時にその女の子にも塗り方を教えることにしました。もう年長児なので自分で塗れるようになれば、お父さんやお母さんの手を借りる必要がなくなるからです。賛否両論もあるかもしれませんが、大きい子は自分の皮膚の状態を理解して自分のことは自分でする。ということも学ばせていくことも必要なのでは感じました。
まとめ

保育園に通わせている保護者はほんとに毎日忙しいです。
保湿なんて簡単なことと思われがちですが、そこの手間が手が回らないということも理解できます。ただ、そのひと手間でアレルギーが抑えられたり、ウィルスの感染が抑えられるのであれば本当にきちんとやった方がいいと思います。ただ、それをお迎えのちょっとした時間に説明するのはとっても大変ですけどね。
私は一番余裕のある「入園説明会」の時にお話しするようにしています。ただ、話すことがいっぱいで聞いてもらえているかは疑問ですが💦
あとは、子どもにもお話をして必要性を理解してもらうのも重要ですね。
「お肌がきれいって、美男子になるよー美人になるよーっ」て少しのせまくって😄
私たち、大人もスキンケアがんばりましょう🦾
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になることがあったらうれしいです。
ほむほむ先生の小児アレルギー教室
堀向健太
丸善出版

