職員園内研修 熱性けいれん

こんにちは。保育園看護師さくらのブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、保育園看護師のお仕事について、また子どもの病気のことなど子どもに関わる方に向けてお話させていただきたいと思っております。
保育の中で、最も怖い場面のひとつに「熱性けいれん」があると思います。
いきなり子どもがひっくり返りガクガクして意識がない姿を見たらパニックになりますよね。ましては周りに子どもたちがいて…。
しっかり、「熱性けいれん」について理解を深め、どのようなときに起こっても落ち着いて行動できるよう職員間で「決めごと」を確認することも大切ですね。
➡熱性けいれん レジュメ(チェックシート含む)
レジュメ説明
熱性けいれんとは
生後6ヶ月から5歳くらいの子どもにみられる。脳の発達が未熟なため熱が刺激になっておこる。
一部遺伝的なものもある。
ほとんど1回のけいれんでその後、起こさない子が多いが3割くらいの子は何回か起こすことがあるが、大きくなるにつれて軽減する。
熱性けいれんの症状
多くは急激な熱の上昇時に起こることが多い。
白目をむいて、体をそらすように硬くしたり、手足をガクガク震わせる。
顔色がわるくなる。
ぼーっと意識がなくなる場合もある。
ただ、けいれんには様々なタイプがあり、判断が難しい場合があるため、「動画」を撮っておくと診断に有効である。

熱性けいれん
1,単純型:左右差のない全身のけいれん。数分以内(5分以内)で治まる。
この場合は治療や検査をすることがなく、経過観察になる場合が多い。
2,複雑型:15分以上続く
24時間以内にまたけいれんする
左右差がある
体の一部だけけいれんする
手足、体のけいれんはないが意識がない
など。
治療や検査の対象になる
この見極めもあるため、どういうけいれんだったか、しっかりみていく必要があります。
園児の既往歴
園内で過去に熱性けいれんを起こした園児について、園全体で共有します。
何歳の時に、どういうけいれんを起こしたか、どのような治療をしたか。けいれん止めの薬をもらっているか、搬送された病院はどこかなど。
けいれんの手当
けいれんが5分以上続く場合は救急車要請するということがよく耳にしますが、私の園ではけいれんが起きた時点で「救急車要請」するというようにしています。
これは園によって方針も違うでしょうし、地域差や近くに病院があるとかにもよりますよね。
私の園は病院から距離があるのと、けいれんが治まったということすべての職員が判断できるかというのはなかなか難しいということ、ほかに何か違う病気の可能性があるかもしれないということでそのようにしています。
~けいれんが起きたら~
- 時間を計る←とっても重要ですね。必ず一人の先生はその子について観察します。他の先生は他の子どもを見る(場所を移動させる)、救急車要請と保護者に連絡。
- けいれんしている子の衣類を緩め、嘔吐や泡で誤嚥しないように横向きにさせる。ただ、嘔吐する様子もなく、泡がぶくぶくする感じでなければ仰向けで大丈夫です
- けいれんが治まったら体温を測る。ただ、ガクガクのけいれんでなければ検温することは可能なので、けいれんが起こった直後に測るでもよい。
- 名前を呼び意識を確認する。手足に麻痺はないか確認する。
- ガクガクが治まっても、「手足に力が入っている」「目が開いたまま反応がない」←瞳孔が開いている。まだけいれんがつづいていると判断する。完全に意識が回復し会話ができるくらいになればけいれんが治まったとわかるが、判断に不安がある場合は、その点についてしっかり観察し記録しておく。
熱性けいれん自体、命を落とすということはないので、落ち着いて行動することが大切です。
まとめ
保育園で働いている職員が実際にけいれんをしている人をみたことあるという人は少ないと思います。それだけに恐怖があると思います。
ですので、シンプルに「けいれんをしている人を時間を計って危険のないよう観察する」「救急車要請をして確実に医療機関につなげる」でオッケーだと思います。それがたとえ、「けいれんではなかった」「大げさ」となっても、初めての経験で判断するのは難しいです。何もなくって結果オーライです😊
知識が増えると不安が軽減する。そんな気持ちでこの研修を計画してみました。
参考になったらうれしいです。