【保育園看護師が解説】子どもを熱中症から守る!おうちでできる予防と食事のポイント
こんにちは!保育園看護師のさくらです。 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
いよいよ本格的な暑さがやってくる季節ですね。そこで心配になるのが熱中症。
熱中症は命に関わることもある怖いものですが、「予防法を知り、大人が環境を整えれば完全に防ぐことができる」ものでもあります。
そこで今回は、パパやママにもぜひ知っておいていただきたい「おうちでできる子どもの熱中症予防のポイント」をまとめてみました。
そもそも、なぜ小さな子どもは熱中症になりやすいの?

大人に比べて、乳幼児が熱中症になりやすいのには、3つの大きな理由があります。
- 体温調節の機能がまだ未熟だから 私たち大人は暑いと汗をかいて体温を下げますが、子どもはまだこの「汗をかいて熱を逃がす力」が未発達です。
- 地面からの熱(照り返し)を受けやすいから 大人の顔の高さに比べて、背の低い子どもは地面に近いため、アスファルトなどからの「照り返し」の熱をダイレクトに受けてしまいます。大人が「暑いな」と感じている時、子どもの位置はさらに2℃ほど気温が高いと言われています。
- 遊びに夢中になってしまうから 子どもは楽しいと自分の体の異変に気づきにくく、「しんどい」「喉が渇いた」と自分から言葉で訴えるのが難しいことも多いですよね。
熱中症になりやすい「危険な時期」と「体調」

真夏はもちろん危険ですが、実は「梅雨の合間の急に暑くなった日」も要注意です。
体がまだ暑さに慣れていないため、もっとも危険な時期のひとつです。
また、その日の気温だけでなく「子どもの体調」も大きく影響します。
- 前日の夜、暑くてあまり眠れなかった(寝不足)
- 朝ごはんをあまり食べられなかった
- 少し便がゆるい、なんだか機嫌が悪い
このような日は、すでに体内の水分が不足しがちで熱中症の引き金になりやすい状態です。
「今日はなんだか調子が出ないな」という時は、無理をして外遊びをせず、涼しい室内でゆったり過ごすなどの判断も大切ですね。
また、保育園に行っているお子さんは、必ず保育者に体調がいつもと違うことを伝えましょう。保育園側も気にかけて保育してくれますよ😊
パパ・ママができる!おうちでできる基本の予防策

おうちや休日のお出かけで実践してほしい予防のポイントです。
何よりも「睡眠」と「朝ごはん」!
- 熱中症はその日の体調に大きく左右されます。しっかり寝て、朝ごはんをしっかり食べてから登園するだけでも立派な予防になります😊
水分補給は「ノンカフェイン」でこまめにチェック!
- 緑茶や紅茶などカフェインが入っている飲み物は「利尿作用」があり、おしっことして外に出てしまいやすくなります。
- 水筒や、おでかけの時の飲み物は、お水や麦茶がベストです。
- また、遊びに夢中になると早く遊びたい一心で「飲んだよー」と飲むフリだけで終わらせてしまう子もいます(笑)。30分に1回程度は水分補給の時間をとり、水筒の中身が本当に減っているか確認してあげてくださいね。
涼しく過ごせる「服装」の工夫
ピッタリとした吸湿・速乾性のある肌着に、風通しの良いゆったりしたTシャツを重ねるのがおすすめです。肌着と上着の間に空気が流れることで(煙突効果)、気化熱を利用して涼しく感じられます。
汗のかき方・顔色をよく観察する
子どものほっぺたが真っ赤になっていたり、ぽたぽた流れるような大量の汗をかいていたりしたら要注意のサイン。体温を下げようと体が必死になっている証拠なので、すぐに日陰や涼しい環境へ移動し、水分をしっかりあげましょう。
汗をかく練習(暑熱順化)と運動後の牛乳
本格的に暑くなる前の涼しい時間帯に、外で軽く遊んだり入浴したりして「じんわり汗をかく練習」をしておきましょう。また、運動した後の30分以内に牛乳などを適量飲むと、血液量が増えて熱を逃がしやすい体づくりに役立ちます。(※乳幼児の牛乳摂取量は1日400ml以下が目安です)
お茶を飲まない子必見!「食事から水分補給」のアイデア
「遊びに夢中でお茶を飲んでくれない」と悩むパパやママへ。 実は、私たちが1日にとる水分のうち、約40%(半分近く)は「食事」からとっているんです!飲み物にこだわらず、「食事からの水分補給」を意識すると気持ちがラクになりますよ。
- 朝ごはんは「パンより、ご飯とお味噌汁」
- ご飯はお茶碗1杯で約90mlの水分がとれます。
- パンよりもお米の方が水分を多く含んでおり、さらに具だくさんのお味噌汁をプラスすれば、自然と水分・塩分補給になります。
- パンじゃなきゃやだっというお子さんはスープをつけるとばっちりですよ😄
- 【参考】
- ご飯(白米): 水分量は約60%。お茶碗1杯(約150g)食べるだけで、約90mlの水分がとれます。
- パン(食パン): 水分量は約30〜40%。
- 麺類(うどん・そうめん等): ゆでた麺は水分量が約70%以上になり、さらに汁物と合わせるため多くの水分がとれます。
- まるで「食べるお水」!夏野菜やフルーツ
- トマト、きゅうり、スイカ、メロンなどは、なんと全体の90%以上が水分!ほてった体を内側からクールダウンしてくれる栄養もたっぷりです。
- また、夏野菜や果物はカリウム(体内の水分・塩分バランスを整える)が豊富です。まさしく熱中症対策に優秀な
- 食品です。
- 食欲がない時のお助けマン「お豆腐」や「ゼリー」
- 暑くてご飯が進まない時は、ツルンと食べやすいお豆腐や、果汁100%のゼリー、ヨーグルトがおすすめです。
もし「熱中症かも?」と思ったら…

外遊び中や、暑い室内にいる時、お昼寝起きなどに以下のような様子が見られたら、体内の水分と塩分が不足し始めているサインです。涼しい場所に移動させ、横に寝かせ、まずは「首すじ・わきの下・足の付け根(太い血管が通っているところ)」を保冷剤や冷やしたタオルなどで冷やしてください。また、経口補水液を飲ませてあげましょう。
- 異常なほど汗をかいている(着替えが必要なほどびっしょり、ポタポタ垂れるほど)
- 顔が真っ赤にほてっている
- 唇や口の中がカサカサに乾いている
- 泣いているのに「涙」が出ていない
- なんだかぐったりしている、または異常に不機嫌
- おしっこが半日以上出ていない、または色がすごく濃い
- 普段のお水やお茶を「いらない」と嫌がる(※塩分が不足すると、体液が薄まるのを防ぐためにただのお水を受け付けなくなることがあります)
【上手な飲ませ方のポイント】
ガブガブと一気に飲ませると、胃がびっくりして吐き戻してしまうことがあります。「スプーン1杯ずつ」や「ストローで一口ずつ」、5分おきくらいにこまめに飲ませてあげるのが、体にスッと吸収させるコツです。
⚠️【重要】絶対に飲ませてはいけない「危険なサイン」
熱中症の症状が進行している場合、無理に飲み物を飲ませると気管に入ってしまい(誤嚥)、窒息の危険があります。以下のサインがある場合は、絶対に何も飲ませず、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 意識がもうろうとしている、呼びかけても反応が鈍い・おかしい
- 吐き気がある、または実際に嘔吐している
- けいれんを起こしている
- 自分でゴクンと飲み込むことができない
⭐外出時で保冷剤など冷やすものがない場合は、自販機の冷たいペットボトルや缶ジュースなどで代用できます。念のため小銭を持っていると安心です😊
⭐経口補水液は自宅でも作ることができます。水(湯冷まし)500mlに砂糖20g(大さじ2弱)+塩1.5g(小さじ 4分の1程度)+あればレモン果汁(大さじ1~2)
【但し、市販の経口補水液(OS-1やアクアライトORSなど)のように緻密なイオンバランスの計算まではできません。万全ではないことをご注意ください】
⚠️注意:良かれと思ってやりがちな「NG対策」に気を付けて!
Q: 予防のために、毎日、経口補水液を飲ませた方がいいですか?
A: 普段の水分補給には必要ありません!お水や麦茶で十分です。 アクアライトなどの乳幼児用イオン飲料や経口補水液は、体調不良時や熱中症のサインが出ている時の「水分・塩分補給」としては非常に優れています。しかし、健康な時に毎日お茶代わりに飲ませてしまうと、「糖分の摂りすぎ(虫歯や、ご飯が食べられない原因)」や「塩分の摂りすぎ」に繋がります。普段はお水や麦茶を基本にしましょう。
Q: 熱中症対策に「梅干し」が良いと聞いたのですが?
A: 量に気をつければ良い対策になりますが、塩分に要注意! 梅干しは「塩分」と「クエン酸」が豊富で優秀ですが、幼児の1日の塩分目安はごくわずか(3g〜3.5g未満)です。大人と同じように丸ごと1個食べると塩分オーバーに!子どもには「ほんの少し(1/4個程度)を刻んで混ぜる」などの工夫を。 (※コンビニの「梅おにぎり」も1個で約1.5gほどの塩分があります。子どもにあげる時は「親と半分こする」「梅干しを少しよける」など調整してあげてくださいね。)
Q: 暑い外で遊ばせて、暑さに慣れさせた方がいいのでは?
A: 危険な暑さの中での無理は禁物です! 近年の日本の夏はもはや冷房なしでは安全に生活できない危険な暑さになっています。湿度が常に60%を超える夏に、無理に外で汗をかくのはリスクが高すぎます。 ただ、汗をかいて汗腺を鍛えることはとても重要です。よい汗をかいて、気化熱を利用して体を冷やす。熱中症対策としてこれほど優秀なことはありません。
⭐汗腺を鍛える3つのポイント⭐

汗腺の機能は、意識して汗をかく習慣をつけることで、およそ1〜2週間ほどで改善させることができます。特に本格的な夏が来る前(梅雨時期)が効果的です。
湯船にしっかり浸かる
湯船に浸かるのが一番手軽な汗腺トレーニングです。38〜40℃のぬるめのお湯に浸かり、じんわり汗をかくのが効果的です。
涼しい時間帯の有酸素運動
お散歩や公園遊びで「少し汗ばむ程度」の運動を20〜30分ほど行うのがおすすめです。日中の炎天下を避け、朝夕の涼しい時間帯に行ってください。
冷房に頼りすぎない時間を作る
一日中キンキンに冷えた部屋にいると、汗腺は怠けてしまいます。朝夕の涼しい時間帯は窓を開けて自然の風に当たったり、エアコンの設定温度を少しだけ高めにして、あえて「じんわり汗をかく環境」を作ることも大切です。
⚠️ 汗腺を鍛える際の注意点
汗をかく練習をする時は、前後の水分補給が絶対に欠かせません。コップ1杯のお水や麦茶を飲んでから運動や入浴を行い、終わった後もしっかり水分を補給してくださいね。体調に合わせて無理をしないよう行うことが大切です。
園で行っている熱中症対策と暑さ指数計

園では、こまめな水分補給や衣類の調整、室温湿度管理、外遊び時の暑さ指数の測定などを行っています。
暑さ指数で(気温、湿度、日射、輻射などの熱環境を総合的に計算した指針)28℃以上ある場合は外遊びを中止にしたり、早めにきりあげるなどの対策をしています。
ご家庭でも、レジャーなどでお出かけする時は暑さ指数を測られることをお勧めします。体調+環境を知っておくだけでも十分熱中症対策はで来ます。
レジャーなどでは、楽しさが先行してしまい暑さの感覚が鈍りがちです。暑さ指数計をカバンに装着し危険な領域になったら、すこし涼しい所に行って休むなどされると無理のない行動がとれるかと思いますよ😊
まとめ:毎日のちょっとした工夫で、子どもたちを熱中症から守ろう!
今回は、おうちでできる子どもの熱中症予防や、食事での工夫、いざという時の対応についてお伝えしました。
- 基本の予防は「睡眠」と「朝ごはん」から 寝不足や朝ごはん抜きは熱中症の引き金になります。体調が優れない日は、無理せず涼しい室内で過ごしましょう。
- 普段の水分補給は「お水か麦茶」がベスト こまめな水分補給はもちろん、ご飯やお味噌汁、水分たっぷりの夏野菜など「食事からの水分補給」も大活躍します。
- 経口補水液は「いざという時」の切り札 健康な時の普段使いは避け、「異常な汗」「おしっこが出ない」「ぐったりしている」などの脱水サインが出た時に、少しずつ飲ませてあげてください。
- 無理のない「汗かき練習」で暑さに強い体づくりを 本格的な夏に向けて、湯船に浸かる、涼しい時間帯に少し体を動かすなど、上手に汗をかける機能を育てていきましょう。
- 危険なサインを見逃さない 意識がもうろうとしている、嘔吐しているなどの危険な状態の時は、絶対に何も飲ませず、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
子どもたちの小さなSOSに気づけるのは、一番近くにいる大人たちです。無理のない工夫と温かい見守りで、今年の夏もご家族みんなで安全に、そして楽しく乗り切っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもお役に立てたらうれしいです。

