手足口病・ヘルパンギーナ感染と知っておきたい登園基準について
こんにちは!保育園看護師のさくらです。 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます😊
この季節、保育園に「手足口病」や「ヘルパンギーナ」の連絡が入るようになると、私たち保育者は「あぁ、今年もこの季節がやってきたな」と、肌で夏を感じてしまいます💦
手足口病・ヘルパンギーナってどんな病気?

どちらも夏を代表する「ウイルスの感染症」です。実はこの2つ同じ「エンテロウイルス」という大きなファミリー(グループ)なのですが、ウイルスの“わずかな個性の違い(型)”によって、症状の出方に違いが生まれます。
① 手足口病の症状
発疹(ほっしん): 手のひら、足の裏、口の中(粘膜)に米粒大の水ぶくれのような発疹が出ます。実はお尻や膝に出ることも珍しくありません。ウイルスが「皮ふや粘膜」で暴れるのが得意なため、広い範囲にブツブツが出ます。
発熱: 熱が出ることもありますが、高熱になることは少なく、3割ほどのお子様は熱が出ないまま治ります。
潜伏期間: ウイルスが体に入ってから症状が出るまで 3〜7日 ほどです。
② ヘルパンギーナの症状
手足口病の“親戚”のような病気ですが、こちらはウイルスが「のどの奥」でピンポイントに大暴れするのが得意です。そのため、手足には発疹が出ず、「突然の高熱(38〜39度)」と「のどの奥の強い水ぶくれ・痛み」が特徴です。
③治療
手足口病もヘルパンギーナも特効薬はありません。自分の免疫で自然に治る病気です。発熱や痛みなど症状に応じたお薬が処方される場合があります。
⚠️ もしも重症化したら?知っておきたい「合併症」と「再受診の目安」

手足口病やヘルパンギーナは、基本的には数日のうちに自然に治る軽い病気です。 しかし、原因となるウイルス(特にエンテロウイルス71型など)によっては、ごくまれに脳や心臓に影響を及ぼし、重症化することがあります。
気をつけたい主な合併症(病気)
- 髄膜炎(ずいまくえん)・脳炎(のうえん): ウイルスが脳や脊髄の周りに入り込んで炎症を起こします。
- 心筋炎(しんきんえん): ウイルスが心臓の筋肉に炎症を起こし、心臓のポンプ機能が落ちてしまいます。
- ひどい脱水症: 口の中の激しい痛みから、水分が全く摂れなくなることで起こります。乳幼児は特に進行が早いため要注意です。
🚨 すぐに医療機関を「再受診」すべき危険なサイン
一度お医者さんに診てもらっていても、お子様に以下のような様子が1つでも見られたら、ためらわずにすぐ再受診(夜間・休日なら救急外来を受診)してください。
| チェックするポイント | 危険なサイン(すぐ再受診!) |
| 熱の様子 | 38度以上の高熱が3日以上続いている |
| 頭やお腹の様子 | 激しい頭痛を訴える、何度も繰り返し吐く |
| 意識や元気の様子 | ぐったりして活気がない、呼びかけへの反応が鈍い、目線が合わない |
| 体の動き | けいれんが起きた、手足がピクピク震える、歩き方がおかしい |
| 呼吸の様子 | 息が荒い、呼吸が苦しそう、唇や爪が紫色になっている(チアノーゼ) |
| 脱水の様子 | 水分を全く受け付けない、おしっこが6〜8時間以上出ていない |
特に、お母さん・お父さんの「いつもと何かが違う」「目つきや泣き方がおかしい」という直感は、とても大切な判断材料になります。「ただの夏風邪だから」と思わず、迷ったらお医者さんに相談しましょう。
⭐最近の手足口病(コクサッキーA6型というウイルス)では、病気がすっかり治ってから1〜2ヶ月後に、手先や足先の皮がむけたり、手や足の爪がパカッと剥がれてしまうケースが増えています。
初めて見ると親御さんはとてもびっくりされますが、下から新しい爪が生えてきていれば、痛みが無い限りそのまま様子を見て大丈夫です。
💡 知っておきたい「最新の流行トレンド&注意点」
【2026年夏の最新情報】
国や自治体の最新のデータによると、今年(2026年)の夏は全国各地で手足口病が「警報レベル」に達する急激な大流行を見せています。
特に1歳前後の小さなお子様を中心に感染が広がっているため、細心の注意が必要です。
そして、手足口病には「見落としがちな2つの落とし穴」があります。
⚠️ 落とし穴1:一度かかっても、また罹る(かかる)!
「うちの子、去年かかったからもう安心」と思っていませんか?実は、手足口病やヘルパンギーナの原因となるウイルスには、コクサッキーウイルスなど何十種類もの「型(バリエーション)」があります。
そのため、別の型のウイルスに感染すると、同じシーズンに2回かかってしまうことや、毎年かかってしまうことも珍しくありません。
⚠️ 落とし穴2:実は「大人」もかかります!しかも重症化しやすい
子ども特有の病気と思われがちですが、看病している親御さんにうつるケースがとても多いです。 大人がかかると重症化しやすいのには理由があります。
- 人生初の型に出会う: 子どもの頃にかかった記憶があっても、それは数ある型の中の1つだけ。大人になって「未経験の型」に感染すると、免疫がないため強く症状が出ます。
- 大人は皮ふが厚いから痛い: 大人は子どもに比べて手のひらや足の裏の皮ふが厚く硬いため、その下で水ぶくれができると内側から強い圧力がかかります。さらに神経も敏感なため、「歩けないほど足の裏が激痛」「お箸が持てない、ドアノブが回せない」というほど重症化することがあるのです。
おむつ替えの後の手洗いや、看病時のマスク着用は大人を守るためにも徹底してくださいね。
「登園基準」について

手足口病は、学校保健安全法において「一律の出席停止期間」が定められていない病気です。保育園では、厚生労働省のガイドラインに基づき、以下の基準を設けている場合が多いです。
1.熱が下がっていること
まずは発熱がなく、平熱で落ち着いていることが第一条件です。
2.普段通りの食事ができること
口の中の発疹の痛みが引き、水分や食事がしっかり摂れているかを確認してください。のどが痛くて水分が摂れないと脱水症のリスクが高まります。
尚、保育園独自で登園基準を設けている場合がありますので、通われている園の方へお尋ねくださいね。
園から保護者の皆さまお願いしたいこと
手足口病の最大の特徴であり、私たちが一番頭を悩ませるのが「ウイルスの排泄期間の長さ」です。
主な症状が消えて、お医者さんから「登園していいよ」と言われた後でも、実は約4週間にわたって、咳や鼻水、そして便からウイルスが排出され続けます。
しかも、症状が出る前の「潜伏期間」からすでにウイルスを周囲に出しているのです。
ウイルスの排出が完全に止まるまで4週間も休むというのは、現実的ではありませんよね。
ということで、「熱が下がり、普段の食事がとれること」を登園基準にしています。
ですので、手足口病やヘルパンギーナに感染したお子さんが数名でた場合は、もう園全体にウィルスが蔓延していると考えられます。
もちろん、園側は感染症対策として換気や消毒など徹底して行いますが、小さなお子さんが集団で密に関わり合って生活するため防ぎきれないというのが現状です。
現に昨年、私の保育園で手足口病が流行したときは、ほぼ、全ての園児が感染してしまいました😓
私たち職員は、「軽い症状で済みますように」と願うことしかできませんでした💦
不幸中の幸いで重症化するお子さんもなく、発熱もなく発疹だけということもあって、お休みすることなく登園することができたお子さんも多くいました。
最後に…「お互い様」の気持ちで見守っていただけたら嬉しいです
保育園は、子どもたちが社会性を育む大切な場所です。 「うつしたかも…」と責任を感じてしまったり、「うつされた…」と悲しくなってしまったりすることもあるかもしれませんが、この時期の夏風邪は「お互い様」の精神で、どうかおおらかな気持ちで見守っていただけると幸いです。
まとめ
手足口病やヘルパンギーナは、夏になればどうしてもやってくるお馴染みの病気です。 「何度もかかる」「大人もうつると大変」「治ってからも4週間はウイルスが出る」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、基本的には数日で元気になる軽い夏風邪です。
完全に防ぐのが難しい病気だからこそ、「うつし・うつされるのはお互い様」の精神で、少しずつ免疫をつけながら、おおらかな気持ちでこの流行期を乗り切っていけたらいいのかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。この記事がすこしでもお役にたてればうれしいです。

