ほけんだより 5月号
こんにちは。保育園看護師さくらのブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、保育園看護師のお仕事について、また子どもの病気のことなど子どもに関わる方に向けてお話させていただきたいと思っております。
新学期が始まって、2週間。新入園児も慣らし保育が終わってきて園内も少しづつ日常の生活を取り戻している時期ですかね?
5月の連休までもう少しです。お互いもう少しがんばりましょう🦾
5月のほけんだよりを作成しました。
前文 あいさつ文

4月は新しい環境に子どもなりにとっても緊張してがんばっていますよね。
職場復帰、または新しく職場を変えた父兄の方もほんとに緊張の連続だったのでは、
5月は、少し慣れてきて余裕がでてくることではないかと思います。
そして、ゴールデンウィーク😊😊
うれしさのあまり、またがんばっている子どもにたくさん楽しい思い出を作ってあげたい✨
とーっても気持ちわかります!
でも、たくさん緊張していたお子さんの疲れも出てくるころです。体を休ませてあげる時間を十分とりながら楽しんで過ごしてほしいですね☺️
主文 子どもの発熱

発熱時の対応は保護者に一番わかってもらいたい項目です。園と家庭での認識の違いがでないよう、入園時にもお伝えしますが、ほけんだよりでももう一度伝えています。
【職員共有用】子どもの発熱に関する基礎知識と園での対応について
1. 発熱のメカニズムと意義(なぜ熱が出るのか?)
子どもの発熱の約8割はウイルス感染、約2割が細菌感染によるものです 。細菌感染には抗生物質が効きますが、ウイルス感染には特効薬がなく、子ども自身の治癒力(免疫力)で治すしかありません 。
- 発熱は「戦っているサイン」 :ウイルスや細菌が最も活動しやすい温度は、平熱と同じ36〜37℃です 。体はあえて熱を上げることで、体内に入り込んだウイルスや細菌の活動を抑え込もうとしています 。つまり、発熱は「病気そのもの」ではなく、体を守るための正常な防衛反応です。
- 「発熱=受診」をお願いする医学的理:子どもの発熱の約8割はウイルス感染によるもので、特効薬はなく自分の免疫力で治すしかありません。しかし、残りの約2割である細菌感染の場合は、早期の抗生剤投与が有効です。
2. 発熱の経過と体温調節のサポート
熱は軽症であれば3日程度で自然に下がっていくことが多いですが、4日以上続く場合や症状が重くなる場合は再受診の目安となります 。また、昼間に熱が下がっても夜に再上昇する場合は、まだ体内にウイルスが残っており「発熱中」と判断します 。
- 熱の「上がり始め」と「上がりきった後」のケアの違い
- 上がり始め(悪寒・震え): 脳が「もっと体温を上げろ」と指令を出している状態です。手足が冷たく寒気を感じている時は、しっかり保温して体を温めます 。
- 上がりきった後(熱感・発汗): ウイルスと戦うための目標体温に到達した状態です。暑そうにしている時は、薄着にして熱を逃がし、水枕などで気持ち良い程度に冷やしてあげます 。
3. 「解熱後24時間ルール」の重要性と保護者への説明
当園では、「解熱剤を使用せずに解熱し、その後24時間は家庭保育」をお願いしています 。このルールには重要な医学的根拠があります。
- なぜ解熱剤を使わずに24時間なのか? 解熱剤は一時的に脳の体温調節中枢に働きかけて熱を下げるだけで、ウイルスをやっつける薬ではありません。薬の効果が切れれば再び熱が上がります。解熱剤の力ではなく、自己免疫の力で完全に熱が下がりきった状態を確認するためには、丸1日(24時間)の経過観察が必要です。また、熱が下がった直後は著しく体力を消耗しており、免疫力も低下しています 。この状態で集団生活に戻ると、別の感染症をもらってしまうリスクが高まります。
- 保護者への声かけ例:「お仕事の調整でお手数をおかけしますが、お薬を使わずに熱が下がってからの24時間は、〇〇ちゃんの体力が回復するためのとても大切な時間なんです。ぶり返しを防ぐためにも、ご自宅でゆっくり休ませてあげてくださいね」と、子どものためであることを強調してお伝えしましょう。
夜間に発熱し、朝方に解熱するメカニズム
子どもの熱が夜間に上がり、朝方になると下がる現象は、人間の体に備わっている「生体リズム(ホルモン分泌と自律神経の働き)」によって起こります。
1. 夜間に熱が「上がる」理由 = 本来の病状の現れ
夜間は、体がお薬やホルモンの力に頼らず、自身の免疫力でウイルスと本格的に戦う時間帯です。
- 天然の解熱剤(ホルモン)の減少: 夕方から夜にかけて、体内で作られる「コルチゾール(ステロイドホルモン)」の分泌が1日の中で最も少なくなります。このホルモンが持つ「熱や炎症を抑える力」が切れるため、本来の炎症反応が隠されずに表面化し、熱が上がります。
- 免疫細胞の活性化: 夜になって体がリラックスモード(副交感神経が優位)に入ると、ウイルスをやっつける免疫細胞(リンパ球など)が活発に働き始めます。体内での戦いが激しくなるため、結果として熱が上がりやすくなります。
2. 朝方に熱が「下がる」理由 = 症状の一時的なマスキング(隠れ)
朝の平熱は、ウイルスを完全に撃退したからではなく、体が活動の準備を始めたことによる一時的な現象の可能性があります。
- 天然の解熱剤(ホルモン)の増加: 体を活動モードにするため、明け方から朝にかけてコルチゾールの分泌量がピークに達します。このホルモンの強力な力によって、まだ体内にウイルスが残っていても一時的に熱が抑え込まれます。
- 自律神経の切り替え: 目覚めて活動モード(交感神経が優位)に切り替わると、夜間に活発だった免疫細胞の働きが一旦落ち着くため、熱が下がりやすくなります。
現場での評価ポイント(なぜ登園できないのか)
このメカニズムから、「朝の平熱」は完全に治った証拠ではなく、ホルモンの力で一時的に症状が隠れているだけということもあります。
朝下がっていても、夕方になって熱を抑えるホルモンが減った時に再び発熱しなければ、そこで初めて「ウイルスに打ち勝った(治癒した)」と判断できます。「朝は元気でも、解熱後24時間は経過を見る必要がある」というルールは、この体のサイクルを丸1日かけて確認し、確実な回復を見極めるための大切な基準となります。
副文 突発性発疹 ヒトメタニューモウイルス
突発性発疹

突発性発疹の主な症状
- 突然の高熱 前触れもなく、突然高いお熱が出ます 。高熱が数日続くことが多いですが、熱のわりには母乳やミルクを飲めて、比較的元気なケースも多いです。
- 解熱後に、体に発疹が出る 熱がスーッと下がった後、体に発疹が出ます 。解熱した後、体に発疹がでることがこの病気の最大の特徴です 。発疹が出て初めて「突発性発疹だったんだ!」と診断がつくこともよくあります。
- 不機嫌になったり、下痢を伴うことも 熱が下がって発疹が出る頃に、機嫌が悪くなったり、下痢を伴うこともあります
※月齢の低い子が発熱で休んで再登園する時は、発疹がないことを確かめて受け入れるといいと思います。私の園では発疹があった場合は、そのまま受診していただいて登園が可否を確認してもらっています。
※突発性発疹後は機嫌が悪い子が多いです。でも「病気にせい」とわかるとこちらも落ち着いて対処できます😊😊
ヒトメタニューモウィルス

近年、保育園でも耳にすることが増えてきた「ヒトメタニューモウィルス」。長引く咳や呼吸器への負担が特徴の病気です。
. ヒトメタニューモウィルスとは?
- 気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こすウィルスです 。
- 好発年齢は1〜4歳で、10歳までにはほぼ100%感染します 。
- 何度も罹ることがありますが、年齢が上がるにつれて症状は軽くなる傾向があります 。
2. 主な症状と治療・診断について
- 症状: 発熱や、1週間位続く咳がみられます 。RSウィルスと似たような、ゼーゼー、ヒューヒューという苦しそうな呼吸(喘鳴)を伴うことが多いです。
- 治療: 特効薬はなく、対症療法のみとなります 。自己免疫で回復するのを待つため、体力の温存が不可欠です。
- 診断: 医療機関にて迅速検査があります 。
※私の園では治癒後の登園には「登園届」を持参してもらっています。
副文 当園の日常の衛生管理について

私の園での衛生管理です。参考までに。
マスクにつきましては、園内のきまりとして、基本、着用するということになっています。ただ、口元を含めた表情をみせることが望ましい場面では、マスクを外し保育を行っていますということを伝えてみました。
副文 子どものお悩みQ&A
ほんと入園したての頃は「発熱」「発熱」でなかなか保育園に行けないというのはほとんど保護者の皆様が経験することだと思います。しょうがないことなんですけどね😓
悩ましいですよね。でも、子どもが健康に育つためには避けては通れない道ですので、一緒に頑張りましょうしか言えませんね。「3歳くらいになれば、びっくりするほど丈夫になるのでね」
病児保育やファミサポ、祖父母、使えるものはなんでも使って💦乗り切りましょう💪
まとめ
保育園での保健に関して、最も重要な症状「発熱」
感染症の流行を防ぐには、この「発熱」の初動行為がとっても大事ですよね!
1人1人の保護者の対応や職員の対応にかかってくると思います。
きちんとした知識を持って、全員が同じような対応をしていけたらいいですよね。
特に、4月、5月の新年度にしっかり「発熱」についての共通認識を持っていけるといいなと願いをこめてほけんだよりを作ってみました。すこしでもお役にたてたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
●下記の本はいつも挿絵や枠や記事の参考にさせていただいています。とても使いやすいです

